ペンミ商店 vol.7
夏の一目惚れ
現代では珍しい個人商店。しかも馬がいる…
瀬戸内海近くの古い家々が立ち並ぶ場所、そこにペンミ商店がある。
このお話は実在する私の友人がこれから始める商売について私なりに妄想した、実在する古民家の物語。そこで起こる一夏のエピソードを小説風に書いたストーリーです。
友人ペンミさんの起業ストーリーが今始まる…
はじめに
気まぐれで書いていたので遂に現実の季節に追いつかれてしまいました!w 今日もお読み下さり、ありがとうございますm(_ _)m
【前回からのあらすじ】
群馬県から″自分探しの旅″に出た大学生トラ。
ペンミ商店の馬の写真を撮った女性に一目惚れし、岡山県まで辿り着いたが、無一文になりペンミ商店の前で行き倒れていたところをペンミさんに拾われ、しばらくバイトで帰りのお金を稼ぐ事になった。トラの初めての仕事は農地の草刈り。
人生初の草刈りはかなりの重労働だった…
人生初の草刈りから一夜明けた翌日、またしてもトラは物音で目が覚めた。。。
「トラ、おはよー!さ、用意して行くぞ!今日も!」
ペンミさんだ。めっちゃ元気…しかも今日は子どもさんを連れて来ている。手には… 家庭用のかき氷機?を持っている。
ペンミさんは嬉しそうに
「今日から子ども達は夏休みだから、昼から子守と店番頼むわ」
と言ってきた。
そうか、今日から学生は小学校は夏休みなのだ。
でもペンミさんはかき氷器で一体何を?
「午前中はお客さんの乗馬の予約が入っとるけー、今日は一人で草刈り頼むわ。」
「わかりました。」
ペンミさんは昨日みどりさんから貰ったスイカを切って冷蔵庫に丁寧にしまってから、愛車のハイエースに草刈り機と僕を積んで近くの農地まで向かう。歩いて5分でも着くけど、草刈り機を運ぶのについでに乗せて行ってもらう。
今日はなんと朝から既に30度を回っている…
僕の通っている群馬大学も盆地だから暑いけど、岡山県の県南も負けてないな、と思うくらい暑かい。僕の使う草刈り機はエンジン無しの人力手押しの草刈り機なのでぶっ倒れそうだ。
刃とエンジン付きの草刈り機は慣れないと危ないから、と使わせてもらえないので仕方ない。
「途中20分に一回、梅の木の木陰で休憩しながらやりな」とペンミさんから言われていたので、ペンミさんからもらった冷たい謎の炭酸ジュースを開始から20分で飲む事にした。
蓋を開けると「シュ!」という炭酸飲料の爽やかな音がする。
一口飲むと、酸っぱ甘い味が口の中いっぱいに広がった。
(これってもしかして梅ジュース!?)
疲れた身体に染み込んで行く梅ジュース。つい、ごくごく飲んでしまった。
(いかん、いかん。後の分が無くなる。昼までまだ時間が2時間もあるのに。)
僕はそう思いながらジュースの蓋を閉じ、再び草刈りを再開した。
…それにしても暑い…
でも群馬に帰るための資金を稼ぐためだ。頑張ろう。体力には自信がある方なんだ。
と自分にいい聞かせながら午前中の草刈りをなんとか終えた。
農地を刈り終えて木陰で休憩していると、ペンミさんが迎えにきてくれた。
「トラー!生きとるかー???」
「はーい、なんとか。」
ハイエースの後部座席にはお客さんと子ども達が乗って、楽しそうにしている。みんな汗びっしょりだ。でも清々しい顔とも言える。汗をかくってやっぱりいいよな。。
ペンミ商店に戻ってから、ペンミさんは朝冷蔵庫に入れたスイカを皆に出してくれた。
「これ食って元気だせ!スイカは冷やして食べた方が甘くなるってみどが教えてくれた。」
「へ〜」
みんな一同に関心する。
「いっただきまーす!」
皆で縁側の椅子に座って一斉にスイカをたべた。
…
「うまい!!!!!」
僕は人生でこんなに美味しいスイカを食べた事があるだろうか、と思った。
労働してからのスイカは格別。僕の脳みそに深く刻み込まれた瞬間だった。
「トラ、午後は2時まで休憩してくれていいから、その後子ども達と店番頼むな。」
そう言ってペンミさんは子ども達のお弁当を置いて去って行った。
僕は子ども達と一緒にお昼ご飯を食べたあと、
畳の部屋で子ども達とお昼寝をした。もちろんエアコンはついている。
死んだように眠った…
つづく!
次回、「トラの恋はまだ終わったなかった!」を
お楽しみに🩷


