ペンミ商店 vol.2
一目惚れの夏
瀬戸内海のすぐ近く、古民家で営む小さな商店。
現代では珍しい個人商店。
古い家々が立ち並ぶ場所、そこにペンミ商店がある。
このお話は実在する私の友人がこれから始める商売について私なりに妄想した、実在する古民家の物語。そこで起こる一夏のエピソードを小説風に書いたストーリーです。
友人ペンミさんの起業ストーリーが今始まる…
ペンミ商店はただの商店ではない。
…馬が居る商店だ。
ペンミ商店は門から入ってすぐ右手に、かつては農具を保管していた車庫を兼ねた休憩スペースが有った。ペンミはそこを改造して馬を飼っている。少し前の日本では″家畜と一緒に暮らす事″が当たり前だった時代が有るが、今ではとても珍しい。
日本家屋は優秀で扉を開け放てば夏は涼しい。暑さに弱い馬にとってはとても過ごしやすい場所なのだ。…とはいっても近年の暑さは尋常ではない。夏は扇風機を馬にかけ続けなければ、馬達も弱る。電気代はかかるが、これは馬を飼う上で最低限必要な経費だ。
彼女がこの土地で馬を飼うのには理由が有る。
馬が大好きで、乗馬に足繁く通っていた彼女は昔から、ある牧場にお世話になっていた。岡山県の備中国分寺近くで営まれている牧場だ。そこは馬の好きな人達が集まる牧場。街から少し離れたその牧場には、オーナーを慕う人達が集まり、地域のちょっとしたコミュニティになっている。
ペンミはこのペンミ商店もこのようなコミュニティになってくれたら嬉しい、とこの土地で馬を飼い始めた。
ペンミ商店が″商店″である理由は、この辺り一帯にはお店がないから。コンビニも無ければスーパーもない。近所の人達は車で少し遠いスーパーに買い物に行くか、ネットで買い物するしかない。
そこで彼女は小さな商店を始めることにした。醤油や塩などのちょっとした買い物の買い忘れにペンミ商店はちょうどいい。それだけのためにわざわざ離れたスーパーまで車を出すよりペンミ商店で間に合わせるのだ。
そんなペンミ商店、始めてから今年ではや5年目。
朝子ども達を学校に送り出したあと、ペンミ商店へ出勤する毎日。もうすっかり板につき、毎朝のルーティンになっている。かつてバスの女性ドライバーだったペンミ。バリバリ社会で働いていたあの頃が懐かしい。。。
そんなペンミ商店にある珍事件が起きる。
彼女がいつものように出勤すると、門の前で一人の男性が行き倒れている。
ペンミはギョっとした。
つづく!



小川糸さんに影響された❓